2025/06/14

夢のマイホーム、いよいよ建築段階に入りましたか。
ワクワクする反面、間取りや設備選びなど、多くの決断を迫られる時期でもありますよね。
その中でも、特に重要なのが階段の設計です。
安全で、使いやすく、そしてデザイン性も兼ね備えた階段を作るには、どうすれば良いのでしょうか。
今回は、階段の寸法に関する知識と、快適な階段を作るための具体的な方法をご紹介します。
快適な住まいづくりの一助となれば幸いです。
階段の寸法と計算方法
建築基準法に基づく最低寸法
建築基準法では、住宅の階段の寸法について最低限の基準が定められています。
具体的には、蹴上(階段の高さ)は23cm以下、踏面(階段の幅)は15cm以上、階段と踊り場の幅は75cm以上とされています。
しかし、この基準はあくまで最低限の安全性を確保するための数値であり、実際にこの寸法で階段を作ると、非常に急勾配で使いにくいものになる可能性があります。
快適な生活を送るためには、基準を満たすだけでなく、さらに使いやすい寸法を検討することが大切です。
理想的な寸法の算出方法
より快適な階段を作るためには、蹴上と踏面のバランスが重要です。
一般的には、「蹴上×2+踏面=60cm」という公式が目安として用いられています。
この公式は、日本の平均的な歩幅に合わせた数値であり、この寸法に近づけることで、上り下りしやすい階段を作ることができます。
例えば、蹴上を18cmにすると、踏面は約24cmになります。
しかし、住む人の年齢や体格、ライフスタイルによっても最適な寸法は異なります。
小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、さらに緩やかな勾配にすることを検討する必要があるでしょう。
安全な階段の設計ポイント
階段の安全性は、寸法だけでなく、様々な要素が関わってきます。
例えば、手すりの設置は必須です。
特に高齢者や小さなお子さんがいる家庭では、両側に手すりを設置することをおすすめします。
手すりの高さは、75cm程度が標準的ですが、利用者の身長に合わせて調整することも可能です。
また、蹴込板(蹴上の下にある板)の深さにも注意が必要です。
深すぎるとつまずきやすく、浅すぎると不安定になりやすいので、適切な深さを確保しましょう。
さらに、踊り場(階段の途中に設けられる平らな部分)の設置も、安全性を高める上で有効です。

登りやすい階段を作る工夫
高齢者にも優しい設計
高齢者にとって、階段の上り下りは大きな負担となります。
高齢者にも優しい階段を作るには、前述の「蹴上×2+踏面=60cm」の公式を参考に、蹴上を低く、踏面を広く設計することが重要です。
具体的には、蹴上17cm、踏面26cm程度が理想的です。
さらに、滑りにくい素材を使用したり、明るさを確保したりすることも有効です。
手すりの設置は必須であり、滑りにくい素材で、しっかりとした握り心地のものを選びましょう。
段差の高さや踏面の深さ
段差の高さが高すぎると、つまずきやすくなります。
高齢者や小さなお子さんにとって、段差は大きな危険要因となるため、できる限り低い段差にすることが大切です。
踏面の深さ(奥行き)も重要です。
深すぎると歩幅が広くなり疲れてしまいますし、浅すぎると不安定で危険です。
適切な深さを確保することで、安全かつ快適な階段を実現できます。
これらの寸法は、利用者の身長や歩幅を考慮して決定する必要があります。
手摺りの設置と高さ
手すりは、階段の安全性を高める上で非常に重要な役割を果たします。
特に高齢者や小さなお子さんがいる家庭では、両側に手すりを設置することを強くおすすめします。
手すりの高さは、利用者の身長に合わせて調整することが大切です。
一般的には、75cm程度が標準的な高さですが、必要に応じて調整しましょう。
また、手すりの材質や形状にも注意が必要です。
滑りにくい素材を選び、しっかりとした握り心地のものを選びましょう。

まとめ
今回は、安全で登りやすい階段を作るための具体的な寸法と計算方法について解説しました。
建築基準法に基づく最低限の寸法だけでなく、より快適な生活を実現するための理想的な寸法、そして安全性を高めるための工夫についても触れました。
快適な住まいづくりにおいて、階段は重要な要素の一つです。
今回の記事を参考に、ご自身のライフスタイルや家族構成に最適な階段を設計し、安全で快適な住まいを実現してください。
階段の設計は、専門家と相談しながら進めることをおすすめします。
小さな工夫で、住まいの快適性が大きく変わることを実感できるはずです。