2024/09/30
これから注文住宅を検討していて、環境問題や将来のランニングコスト削減に関心があり、ZEH住宅に興味を持っている方へ。
ZEH住宅の購入を検討しているものの、メリット・デメリットや実際の生活における課題など、詳細な情報を知りたいと考えているのではないでしょうか。
この記事では、ZEH住宅のメリット・デメリットを分かりやすく解説し、後悔する可能性も踏まえた上で、ZEH住宅が本当に適しているのか、客観的に判断できる情報を提供します。
ZEH住宅とは?
ZEH住宅とは、年間で消費エネルギー量と発電エネルギー量が同じ、もしくは発電量が上回るように設計された住宅のことです。
地球温暖化の防止やエネルギー安全保障の観点から、2008年に米国で推奨され始めました。
日本では2014年に閣議決定された「エネルギー基本計画」において、「2030年までに新築住宅の平均でZEHを目指す」と定められています。
ZEHを満たす3つの条件
ZEHに認定されるためには、以下の3つの設備を有している必要があります。
断熱設備
室内外に熱を伝えにくくする断熱性能はZEHを実現する上で欠かせません。
断熱性能に優れた家は、外気温に左右されにくいです。
そのため少ない光熱費で、夏は涼しく冬は暖かい暮らしを実現します。
断熱性能は「UA値」という指標で表します。
ZEH基準のUA値は0.4〜0.6で、この数値をクリアすることが求められます。
省エネ設備
ZEHでは従来のエネルギー消費量から20%以上削減することを求められています。
特に住宅でエネルギー消費の大きい「空調」「給湯」「照明」「換気」の4項目では、基準を満たした機器を使う必要があります。
太陽光(創エネ)設備
太陽光発電システムなど、エネルギーを創る「創エネ」設備も条件の1つです。
太陽光とあわせて家庭用燃料電池、蓄電池を導入することで、災害時のエネルギー補充も実現可能です。
なお、ZEHの中でも「ZEH Oriented」であれば創エネ設備なしでZEH認定を取得できます。
2030年にはZEH義務化予定
地球温暖化対策として、世界的な「脱炭素化」の動きがあります。
日本政府も2014年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」において、「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」と宣言しました。
2020年時点で、ハウスメーカーの新築注文住宅のうち約56%がZEHとなっています。
2021年に閣議決定された「第6次エネルギー計画」では、「2030年度以降新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」と宣言しました。
経済産業省・国土交通省・環境省の三省連携で補助金制度の充実をはかっています。
ZEH住宅にする必要はない?ZEH住宅のデメリットと後悔ポイント
ZEH住宅の導入を検討する上で、メリットだけでなくデメリットも理解しておくことが重要です。
ZEH住宅は、断熱性能や省エネ性能に優れている反面、初期費用が高額になる傾向があります。
また、設計や設備の制約など、生活スタイルによっては後悔する可能性も考えられます。
コスト面でのデメリット
ZEH住宅は、高性能な断熱材や省エネ設備、太陽光発電システムなどの導入により、一般的な住宅よりも初期費用が高額になります。
・建築費
高性能な断熱材を使用するため、一般的な住宅よりも建築費が高くなります。
・設備費用
省エネ設備や太陽光発電システムなどの導入費用も、一般的な住宅よりも高額になります。
・維持費
太陽光発電システムのメンテナンス費用なども、一般的な住宅よりも高額になります。
設計・設備面での制約
ZEH住宅は、断熱性能や省エネ性能を最大限に引き出すために、場合によっては設計や設備に制約があります。
・間取りの制限
太陽光発電の効率を高めるために、屋根の向きや形が制限される場合があります。
そのため、希望の間取りを実現できない可能性もあります。
・設備の制限
ZEH住宅では、省エネ性能を高めるために、特定のメーカーの設備を使用する必要があります。
そのため、希望の設備が使えない可能性もあります。
生活スタイルに合わない可能性
ZEH住宅は、環境に配慮した暮らしを実現できる一方で、生活スタイルによってはデメリットを感じる可能性もあります。
・HEMSの使いこなし
ZEH住宅では、住宅全体のエネルギー消費量を管理するHEMS(ヘムス)が導入されることが多いです。
HEMSは、省エネ効果を高めるために有効なツールですが、使いこなすにはある程度の知識や手間が必要です。
・ライフスタイルの変化
ZEH住宅は、省エネ意識の高い人にとって魅力的な選択肢ですが、従来の生活スタイルに慣れている人にとっては、エネルギー消費量を意識する必要があるため、ストレスを感じる可能性もあります。
まとめ
この記事では、ZEH住宅のメリット・デメリットを解説しました。
ZEH住宅は、環境に配慮した暮らしを実現できる一方で、初期費用が高額になる、設計や設備に制約がある、生活スタイルに合わない可能性があるなどのデメリットもあります。
ZEH住宅の導入を検討する際には、これらのメリット・デメリットを理解し、自分のライフスタイルや予算に合った住宅かどうか、慎重に検討することが重要です。